祖母山登山記録(北谷コース登り) 写真にマウスを置いてください。説明が見られます。
○早朝
 朝4時頃、酒盛りグループが起き出しテントを片づけているようだ。片づける音で目が覚めたが、外はまだ暗いので惰眠を貪る。5時起床、朝食の準備、インスタントみそ汁が旨い。ペットボトルのお茶を温め飲む。駄洒落ではないがホットする旨さだ。朝食後、荷物を整理し服を着替え登山準備に取りかかる。
登山口 右:風穴コース 左:北谷コース 標柱(距離が表示してある。) 2合目付近の登山道
○登山開始
 5時55分、酒盛りグループが出発、まだ薄暗い。明るくなったので登山靴を履き、忘れ物がないか点検し6時30分出発。1合目までは杉林の平坦な登山道だ。1合目を過ぎたところから、、坂道にかかるが急坂ではないので楽に登れる。ただ滑りやすい土なので滑りに注意し慎重に登る。所々泥濘がある。スパッツが必要だったかなと思いつつ登る。
 30年前の登山道とイメージが随分違う。広葉樹林の登山道だった気がする。視界も開けていたような気がする。登山後、気づいたのであるが、30年前は一の鳥居から登っていたのである。3合目付近でで少し視界が開け、その後は視界の悪い杉桧林の登山道が続く、泥濘と滑りやすい土の登山道が続くが急坂でないので助かる。4合目を過ぎるなだらかになると「千間平」だが視界は悪い。
千間平 山間境過ぎの登山道 三県境
 6合目を過ぎると下りと平坦部が多くなるが泥濘も多い。このころになると登山靴は真っ黒だ。スパッツを装着しないことを悔いた。三県境を過ぎスズタケの登山道を抜け、一登りすると国観峠だ。視界が開け祖母山が間近に見えるはずであったがガスで見えない。ここでアンパンを食べ、お茶を飲みしばし休憩。お地蔵さんに無事を祈る。ここから標高差300m、距離1100m、登りがきつくなる。
国観峠 国観峠のお地蔵さん 国観峠の狭展望
 黒糖飴を口に放り込み、頂上を目指して出発。8合目を過ぎたあたりから急な登りとなる。登山道も荒れている。滑りやすい土質で濡れている。滑らないように慎重に登る。9合目を過ぎたあたりで、県北の山特有のガレ場と岩場の登山道に変わる。急で濡れているので滑らないように注意して登る。途中、山小屋の分岐点に出くわす。迷ったが山頂を目指すことにする。

○山頂で
 ロープを掴み一登りし、風穴の分岐を過ぎると頂上だ。頂上はガスで視界ゼロであった。360度の雄大なパノラマ、30年前縦走した烏帽子岳、古祖母山、傾山や阿蘇の山々、久住連山、何も見えない。しばし空を眺める。山口からきた男性と話した。
 「はじめて祖母に登りました。ガスでがっかりです。昨日は阿蘇に登り天気予報は晴れだったんですがね」
 「30年ぶり祖母山だったのですが、本当に残念です。どのコースで下山するんですか」
 「風穴コースで下山します。山小屋で風穴(かざあな)と言ったら、管理人に風穴(ふうけつ)と教えられました」
 「私も風穴コースで下る予定です。ところで山小屋は綺麗ですか」、
 「ソーラーシステム、風力発電つきの立派な山小屋です。」
 「昔は幽霊がでそうなボロ山小屋だったんですが、引き返して見てきます」
以上の理由で、頂上から引き返し山小屋に向かう。
山頂 山頂の一等三角点 山頂の標識
○山小屋で
 山小屋分岐からは、ぬかるんだ粘質土の急な下りである。滑らないように山小屋を目指した。たしかに立派な山小屋だ。ソーラーシステム、風力発電(台風で損壊していた。)入口のドアを開けると山口県の夫婦と管理人が話していた。管理人に撮影許可をもらい室内を撮影、宿泊費2300円、子供1300円。
8合目 山小屋 山小屋の室内(2階にも寝られる)
撮影が終わり話の仲間に加わると管理人が質問してきた。  
  「どのコースで下山するのか」、 「風穴コースで下山する」
  「風穴コースの経験は」、「30年前に下った」
  「30年前の記憶ではだめだ、やめた方が良い。178xm、80kg、40代の男性が風穴コースで道に迷い大変だった
  迷ったら400万円くらい請求するからやめた方がいい。」
  「一応、保険には入っているが検討する」
  「山はどのくらいの頻度で登っているのか」、「霧島山系を月2回位のペースで登ってる」
  「少ない。せめて毎週登るべきだ」、「毎週、登ると家庭不和の原因となるので無理だ」
  「とにかく風穴コースはやめろ」
 ぶっきらぼうで愛想の悪い男であったが、印象は悪くなかった。掲示板に風穴コースの下りは危険と書いてあった。年齢は20代後半と見たが。

○山口県の夫婦 
 山口県の夫婦も鈴をつけて登ることを注意されたそうである。「鈴の音を嫌う人もいますので、つけない方がいいでしょうね」と管理人の意見に同調した。「山口地方では、熊がでるので鈴をつけて登ります。九州の山は熊が出ないので、これからつけないようにします」 感じのいい夫婦だったので、頂上まで同行することになった。夫婦が「管理人は最悪の場合を考えて、風穴コースをやめろと言ったのですよ。注意しながら慎重に下山すれば大丈夫と思います」と言われたので、風穴コースで下山することを決断する。

 夫婦が「今年の紅葉はどうか」と管理人に聞いたところ「今年だめ」の一言だったとか。「愛想の悪い管理人ですね。ま、それが山男ですかね」と言われたので納得し大笑いとなった。紅葉のモミジを撮影しようとカメラを構えたら、旦那さんが、ザックを卸し三脚にカメラをセットし紅葉の撮影が始まった。その間に奥さんは先行して登っていった。「僕は登るのが早くみんなに嫌われたので、カメラを始めました、おかげでペースが合い、カメラのお陰で楽しい登山となりました、家内は僕が撮影している間に先行して登ります。その後を追いかけるのでペースが合うのです」と、納得。
紅葉 紅葉 風穴コース分岐
 頂上に着いたら空が明るくなった気がする。晴間を期待し頂上に留まることにする。30分経過、変化なし、帰りの時間を考えると限界だ、後ろ髪を引かれる思いで、「風穴コースで迷子になったら、待っていますのでよろしく」と夫婦に別れを告げ、下山開始。