高千穂峰から霧島東神社登山口 12:53−14:48  5.0km 
 天の逆矛に別れを告げ、下りを開始する。急傾斜のガレ場の登山道に段差工が設置され、滑りの心配なく下れるが段差工の幅が狭く歩きにくい。工事の苦労を考えると文句は言えない。ガレ場を抜けると狭い登山道になる。かなり荒れている。登山道沿いにヤマラッキョウの花が咲いている。ピンクの可愛い花だ。皇子原、御池小学校コースの分岐点を過ぎると縦走最後の登りだ。登り切った無名山の山頂から見る高千穂峰は格別だ。私の大好きな高千穂峰の山容だ。どっしり感が良い。

     
○天の逆矛について
      天の逆矛は、今回の完全縦走終点、霧島東神社の「飛び地境内」のものである。
      昔、霧島東神社は高千穂峰から御池のほとりまで境内であったが。戦後、国が
      神社敷地を没収して国有林になった。天の逆矛を動かすと雨になるとの言い伝えがある。


天の逆矛/ヤマラッキョウ/高千穂峰
 無名山から急で狭い登山道が続く。疲れた体に急な下りは辛い。草木が伸び登山道が見えない。尾根が狭いので転落しないように、迷わないように慎重に登山道を下る。足への負担が大きい。二ツ岩を抜けると御池、小池が見えてくる。ゴールは遠いと思いながら、荒れた狭い急坂な登山道を歩き続ける。残り2.8km地点に到着。

雑草が伸び登山道が見えない/二ツ岩/御池
 残り2.8km地点から急坂がだんだん緩くなり、登山道も広くなる。ゴールまで2.0km地点を過ぎると緩やかな登山道になり歩きやすいが、台風で大木があちこち倒れて登山道を遮っている。平坦に近い下りや、急な下りを繰り返し、14時48分、霧島東登山口に着く。長い道のりで疲れたが、達成した満足感が疲れを忘れさせる。
 念願の
霧島完全縦走完歩である。霧島東神社で無事下山できたことのお礼の柏手をうち、家族のまつ駐車場へ向かう。今回の縦走は家族の協力なしではできない。感謝である。さて車中で思わず「今夜はおでん屋で祝杯を上げるぞ、今夜は俺の奢りだ」と完歩の興奮でつい言ってしまった。

  
○高千穂峰について
   高千穂峰の住所は宮崎県西諸県郡高原町になってる。
   高千穂峰登山者の多くは鹿児島県の高千穂河原から登るので、高千穂峰は鹿児島県と思ってる人が多い。
   宮崎県の学校も高千穂河原から登る。宮崎県の山だから宮崎県から登って欲しいといつも思ってる。
   高千穂峰登山コースの中で最も難コースで、最も魅力的なコースが霧島東神社コースである。

   変化に富んでおもしろいコースだ。登山道から見える風景の変化も楽しい。
   ただ残念なことに登山道整備が遅れており、学校行事での登山には向かない。
   宮崎県の素晴らしい財産である高千穂峰は、宮崎県の登山口から登ろうと宣伝したいが
   古い人間と言われそうなのでやめる。

   整備が進み、沢山の登山者が訪れたらそれも困る。まことに身勝手な人間である。
   このコースは静かに鳥のさえずりや、風の音を聞きながら登るコースかもしれない。
   疲れたら木々の下で昼寝をしたり、どっしりと座った高千穂峰を眺めながらコーヒーを飲み
   無の境地に浸れるコースかもしれない。      


倒木/霧島東神社登山口/霧島東神社